五線譜を使わない練習法

〜「楽譜が苦手」でもピアノが弾ける!やさしいステップ〜

「ピアノを習いたいけど、五線譜を見ると頭が真っ白に…」

「うちの子、楽譜を見ただけで嫌がってしまう…」

こんなお悩みをお持ちの方は少なくありません。

五線譜(音符が並ぶ一般的な楽譜)は、音楽の「言語」とも言えますが、最初のハードルになってしまうこともあるのが現実です。

でも、実はピアノは五線譜が読めなくても始められる楽器。

そして、五線譜を使わない「楽しく・覚えやすい練習法」もたくさんあります。

この記事では、五線譜が苦手でも安心してピアノを楽しめる方法を、初心者の方や保護者の方に向けてやさしく解説します。

1. 五線譜なしでも、ピアノは弾ける!

「ピアノ=楽譜が読めないと無理」というイメージがあるかもしれませんが、それは誤解です。

ピアノは、

鍵盤が目に見える 音の高さが上下に並んでいる 一度覚えた指の動きが繰り返し使える

という特徴から、視覚・聴覚・感覚で覚えることが可能な楽器です。

むしろ、最初のうちは五線譜にこだわらず、「音楽に慣れる」ことを優先するほうが、自然な習得につながります。

2. 視覚・感覚で覚える!五線譜なしの練習法5選

では、実際にどんな方法で練習すればよいのでしょうか?

五線譜を使わずに音楽に親しめる、代表的な5つの方法をご紹介します。

① カラフル音符シールで覚える

鍵盤に「ド」「レ」「ミ」などの音名が書かれたシールを貼る方法です。

さらに色分けされていると、視覚的に音の違いがパッと見て分かりやすくなります。

例:ド=赤、レ=オレンジ、ミ=黄…など。

この方法は、特に小さなお子さんに効果的で、「読まずに見て分かる」ことで安心して鍵盤に触れられます。

② ドレミ表記の楽譜(数字譜・音名譜)を使う

五線譜ではなく、音名だけで書かれた簡易譜を使う練習法です。

例:

ド ド ソ ソ ラ ラ ソ
ファ ファ ミ ミ レ レ ド

これは「きらきら星」の冒頭です。数字やカタカナで書かれているだけで、五線譜に苦手意識がある方でも安心して練習できます。

③ 手の動き(ポジション)で覚える

「指番号」と「鍵盤の場所」に注目して、手の形で覚える方法です。

たとえば:

右手の1(親指)をドに置く 2でレ、3でミ、4でファ、5でソ

というように、視覚や感覚で“型”を覚えることで、譜読みなしでも演奏が可能になります。

これはリトミックや初期の指導でよく使われる方法で、身体で音楽を覚える力が育ちます。

④ 耳コピ・真似弾き

「耳で聴いた音を、真似して弾く」方法です。

先生の演奏を見て、音を聴いて、何度も真似することで、耳と指の感覚が自然と育ちます。

耳コピの習慣がつくと、将来的にアレンジや即興演奏も楽しめるようになります。

ポイントは、「失敗してもいい」「音を探してOK」という気持ちで、自由に音を出すことに慣れることです。

⑤ 音あそび・リズムあそび

五線譜の読み取りよりも先に、「音楽の楽しさ」や「音の変化」を体感する遊びも大切です。

高い音と低い音を比べて遊ぶ 同じリズムで好きな音を弾いてみる 名前を歌にして鍵盤で弾いてみる

こうした体験は、五線譜が読めるようになる土台づくりになります。

3. 子どもが楽しく学ぶためのサポートポイント

特にお子さんにとって、「音楽=楽しいもの」という印象を持つことは、何より大切です。

保護者としてできることはたくさんあります。

● 一緒に弾いてあげる・聴いてあげる

親子で同じ音を弾いたり、交互に真似したりするだけで、子どもはぐんと集中します。

「うまく弾けたね!」「この音、きれいだね!」と声をかけることで、自信と意欲が育ちます。

● 正確さより“音の発見”を大切に

「間違えずに弾く」よりも、「音を出す楽しさ」や「違う音もおもしろいね」といった発見を一緒に楽しむことで、自然と音楽力が育っていきます。

● 五線譜に触れる“きっかけ”をつくる

最初から無理に五線譜を読ませるのではなく、ドレミ譜や色音符などを使いながら、少しずつ五線譜の形に慣れていく導入がおすすめです。

4. 五線譜へのステップアップも自然にできる

五線譜を使わない練習法は、「楽譜に頼らない方法」ではありますが、同時に五線譜へのステップアップとしても効果的です。

音の高さや動きを感覚でつかむ 指番号と鍵盤の位置をセットで覚える 音の並びに慣れることで、譜面を見ても混乱しなくなる

これらの体験を積むことで、自然と五線譜に親しみが持てるようになります。

「読まなきゃ」ではなく、「読めたらもっと楽しい」に変わっていくことが理想です。

5. まとめ:五線譜に縛られず、音楽を楽しもう

五線譜が読めないからといって、ピアノを諦める必要はまったくありません。

むしろ、目・耳・手の感覚を生かした多様な練習法で、もっと自由に音楽と触れ合うことができます。

カラフルシールや音名譜で、楽しく視覚的に覚える 手の動きや耳で音を覚える“身体感覚”の学び 音あそびを通じて、音楽の楽しさを実感する 正確さより「できた!」の喜びを大切に 経験が、やがて五線譜への自信にもつながる

「読めない=できない」ではなく、

「読めなくても楽しめる」から「読めたらもっと広がる」へ

そんな音楽との出会いを、あなたやお子さんに届けられたら嬉しいです。