楽譜が読めなくても大丈夫?簡単に覚えるコツ

「ピアノを始めたいけど、楽譜が読めない」

「子どもが習っているけれど、楽譜を見るだけで嫌がる」

そんなお悩みを持つ方は、意外と多いのではないでしょうか。

実は、楽譜が完璧に読めなくても、ピアノは楽しく弾けます。

そして、ちょっとしたコツや習慣で、誰でも少しずつ楽譜が読めるようになります。

この記事では、楽譜が苦手な人でも安心してピアノを楽しめる理由と、楽譜を簡単に覚えるコツを、初心者の方向けにわかりやすくご紹介します。

1. 楽譜が読めなくても始められる理由

ピアノを始めるとき、「楽譜が読めること」がハードルになっていると感じる人は多いかもしれません。でも、安心してください。ピアノには以下のような**“楽譜に頼らない学び方”**もたくさんあります。

● 耳で覚える

先生のお手本や、音源を繰り返し聴いて耳で覚える「聴覚型学習」は、特に小さなお子さんや音感が育ちやすい年齢の方に効果的です。

● 手の形・動きを覚える

鍵盤の位置と手の動きを体で覚える方法もあります。先生が「ここをこの指で弾くよ」と教えてくれる形で進めれば、パターンとして覚えることができるのです。

● 視覚サポートを使う

五線譜ではなく、ドレミが書かれたシールや、色分けされた鍵盤補助ツールなどを使えば、視覚的に理解しやすくなります。

つまり、楽譜が読めるかどうかよりも、「どう伝えるか」「どう体験するか」が大切なのです。

2. 楽譜を読むための最初のステップ

それでも、やはり楽譜が少しずつでも読めるようになると、弾ける曲の幅が広がり、自己学習もスムーズになります。ここでは、誰でもできる楽譜の“読み慣れ”ステップをご紹介します。

ステップ①:ト音記号の「ド」から覚える

楽譜の中で最も基礎となるのが、「真ん中のド(中央C)」です。

ト音記号(右手で弾く高い音の譜)では、この「ド」が五線の下に一本補助線がついたところにあります。

まずはここから、上下に順番に「レ・ミ・ファ・ソ…」と読んでいく練習をしましょう。

一度に覚えようとせず、1音ずつ、焦らず覚えることがコツです。

ステップ②:“音”ではなく“高さ”でとらえる

「この音は何の音?」と細かく考えるよりも、**「この音は前より高い」「この音は低い」**という“上下の動き”に注目することで、より直感的に音を読み取れるようになります。

特にメロディーの動きを把握するときは、音名よりも“音の流れ”を意識する方がスムーズです。

ステップ③:カードやアプリで楽しく練習

音名カードや楽譜読みアプリを活用すると、ゲーム感覚で音読みをトレーニングできます。短時間でも毎日続けることで、自然と目が慣れてきます。

3. 楽譜を簡単に覚えるコツ5選

では、具体的にどのようにすれば「楽譜を見て弾ける」「覚えられる」ようになるのでしょうか?

初心者の方に特におすすめの5つのコツをご紹介します。

① 短いフレーズに分けて覚える

いきなり1曲全部を覚えようとせず、2小節ずつなど短い単位で繰り返すのがポイントです。短く区切ることで、集中力が続きやすく、記憶にも定着しやすくなります。

② 替え歌をつくって歌って覚える

「ドレミファソ〜♪」のように、音に歌詞やメロディーをつけて覚える方法は、特に子どもに効果的です。手をたたいたり、リズムをつけたりして“体で感じる”ことが記憶に残りやすくなります。

③ 書いて覚える

音符カードや五線ノートを使って、自分で音符を書く練習をするのも効果的です。目と手と脳を連動させることで、理解が深まります。

④ 手元を見ない練習

楽譜を見ながら弾く練習をするときは、なるべく鍵盤を見ないようにすることを心がけましょう。視線を楽譜に集中させることで、自然と「楽譜を見る力」が育っていきます。

⑤ 毎日少しずつ続ける

楽譜を読む力は「スポーツの筋肉」と同じです。

毎日5分でもいいので、「見る・読む・弾く」を続けていくことが、最も確実な上達法です。

4. 楽譜が読めない子をサポートするコツ(保護者・先生向け)

お子さんが楽譜を嫌がったり、苦手意識を持っている場合には、次のようなサポートが効果的です。

● 成功体験を積ませる

「今日は“ド”が読めたね!」「このフレーズだけで弾けたよ!」というように、小さな成功を認めてあげることで、本人のやる気がぐんと伸びます。

● 急かさず、比較しない

「なんでまだ読めないの?」「〇〇ちゃんはもう読めてるよ」は禁句です。

一人ひとりのペースを尊重することで、安心して学べる環境が整います。

● 一緒に学ぶ姿勢を見せる

保護者自身が「ちょっと見てみようかな」と楽譜に興味を持つ姿を見せるだけで、子どもにとっては心強い味方になります。

5. まとめ:読めなくても始められる、読めるようにもなれる

楽譜が読めないことは、ピアノを始めるうえでの「壁」ではありません。

工夫次第で、楽しみながら自然と読めるようになるのです。

楽譜に頼らず始めてもOK まずは「真ん中のド」から、少しずつ 覚えるコツは“短く・楽しく・毎日少しずつ” 親や先生の声かけが、何よりのサポート

音楽は「できないこと」より、「楽しめること」が何より大切です。

焦らず、楽しみながら、一歩ずつ進んでいきましょう。

楽譜の向こうに広がる、素敵な音の世界があなたを待っています。